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今月のおたより・投稿
おたより

[師走のお楽しみ 古典と企画物が好バランス(歌舞伎座夜の部・十二月国立劇場)]

たとえば十九年前の平成十三年十二月歌舞伎座。演目は『妹背山』「御殿」。玉三郎のお三輪、十二代目團十郎の鱶七、五代目勘九郎(十八代目勘三郎)の求女、福助の橘姫に、三代目猿之助(現猿翁)がおむらを付き合った。後世に語り継ぎたい顔合わせだ。師走の歌舞伎座はかつて猿翁、玉三郎、勘三郎に團十郎も加わり魅力的な顔合わせがあった。劇団制単位の魅力とは別に、こうしたぞくぞくするような企画も期待したいところ。ここ最近の師走公演では玉三郎これを継承発展させた形でハッとするような企画に。
夜の部はなんと白雪姫の歌舞伎版『本朝白雪姫譚話』。若い無垢な白雪を玉三郎が演じ、その母親・野分の前を児太郎、鏡の精を梅枝と伸び盛りの役者が受けもつのが味噌。鏡に映る姿が相似形である必要もあってこの同世代での配役に。「世界で一番」に執着し、姦計を巡らす母を児太郎が好演。初版本に従い継母でなく実母に。妖精を子役に割り当てメルヘン調を上手く演出。歌女之丞が好助演。
幕開けは『神霊矢口渡』。松緑の頓兵衛が憎々しく、蜘蛛手蛸足の引込みも面白い。梅枝のお舟が一途で哀れ。
同日昼は国立劇場。まず白鸚の佐々木盛綱を二十八年ぶりに勤めた『盛綱陣屋』。小三郎凱旋がないのはこの劇場としては残念。眼目の首実検は白鸚流のパッションの効いたものに。初舞台の松本幸一郎が小四郎をしっかりと。吉弥の微妙が初役ながら好演、楽善の時政が古径。自らの企みに兄は理解し同意するはずと弟(高綱)に見透かされているようにも見え、また自害しようとして和田兵衛に瑕瑾を指摘される辺り主役としてはやや損なところも。
この後が『蝙蝠の安さん』。八十八年ぶりとか。幸四郎に取っては二か月連続の木村綿花作で念願適って挑戦。笑わせ結末はしんみりと余韻を残す。新悟のお花が適役。猿弥の新兵衛がコメディセンス抜群。
古典と企画物のバランス巧妙な二劇場だった。(八日所見)
(野端康善)

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