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今月のおたより・投稿
おたより

[近江の馬と江戸の狐と狸(十一月平成中村座 昼の部)]

十八世中村勘三郎七回忌追善二か月目は浅草寺境内に移しての「平成中村座」。十八代目が平成十二年に立ち上げた江戸の芝居小屋を模した劇空間。小道具の馬二頭が鼻突き合わせて通路横に置いてあるのもここならでは。アットホームさが清々しい。昼の部『実盛物語』『近江のお兼』『狐狸狐狸ばなし』の三本を拝見。開幕は『実盛物語』。勘九郎の実盛がきっかりと時代物の規矩準縄の演技で、いい出来映え。葵御前への敬意、瀬尾へ配慮、眼目の物語の表現力など十八代目の面影を偲ばせつつ、それより硬質でいて爽然たる風情。後に実盛は七十を超え最期、義仲軍に討たれる。芭蕉の「むざんやな 甲の下のきりぎりす」の上の句は『平家物語』で首実検した樋口兼光の「あな無慚、斉藤別当にて候ひけり」から引く。実は本作はこうした陰陰滅滅たる予告篇でもあるのだ。長三郎の太郎吉は、愛嬌もあり台詞はしっかりと。亀蔵の瀬尾は適役安定で平馬返りが立派。九郎助夫婦、勘之丞は義太夫味が薄いが井戸まで行って声掛ける型が古風。梅花は手堅い。新悟の葵、児太郎の小万。いてうの仁惣太が十八代目によく写した面差しではっとする。中幕は七之助の晒女。小品ながら近江八景をよみ込み、男勝りと女らしさのバランスが良い。暴れ馬が花道から登場し、あと盥を持って追いかけて登場する型。そして二番目は『狐狸狐狸ばなし』。初演では大坂が舞台であったが、舞台を江戸に移して十八代目が演じて人気演目に。扇雀の伊之助、七之助のおきわ、芝翫の重善でそれぞれ既に手懸けており、適役揃い。一方、又市が虎之助になるなど世代が少しずつ若返っている。脇では山左衛門の甚平がいい。(三日所見)
(野端康善)




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