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今月のおたより・投稿
おたより

[つとめうれしく 木挽町(一月歌舞伎座 昼の部)]

芝翫魁春による祝祭で開ける歌舞伎座は、兄弟親子と師匠番に古参を始めとして一門打ち揃って出演と誠にめでたい。兄を気遣っての女工藤は、一昨年の大阪で襲名披露された「鴫立澤対面」と御家に縁ある復活演目。これで福助も同じ板の上で弟を祝う出演が叶う心地して、さぞ嬉しかろう。こちらも『雪の対面』できるとは嬉しい。半呂に落として確り通る声に乗る台詞の力強いこと、介添えてとはいえ、きりりと立って梅の枝を手に極まる形。よくぞここまで、知らず知らずに目頭が熱くなる。奥様を始め家族や御母堂そして一統の支えの賜物と、御慰労申し上げる。再び親族に囲まれて出演する機会を得るといい、あの声を使わない手はない。辛抱強く待つ。掛けもちの児太郎は体に気をつけ睡眠を取るように。ちなみに大阪松竹座も三代で藤十郎の米寿を祝う。昼は『大蔵卿』。舞も軽妙で手はきれいな高麗屋の長成は、人物の彫りも深い。飄々と阿呆でも穏やかに客席は笑う。幕切れ、命長成りと零す平家方の公卿に苦渋が溢れる。斬り落とした首は赤い布に包み抱えたまま。その錦吾はニン違っても手強く嵌る。
(ズボンボ)

[年々歳々人同じからず初芝居(一月浅草公会堂 第1部)]

昭和五十五年に初春公演として復活した新春浅草歌舞伎も今年で三十八回目。ほぼ平成と共に歴史を刻んできた事になる。その意味では平成最後の今回は感慨深いものに。五代目勘九郎(十八代目勘三郎)・八十助(十代目三津五郎)で切り開いた平成の新春浅草歌舞伎も今やその子息以下の世代が中心に。まさに久保田万太郎の句「年々歳々人同じからず初芝居」である。第一部、松也の「年始ご挨拶(いつもより短めで良い)」の後は、常磐津舞踊『戻駕色相肩』から開幕。これといった物語はなく、風情で見せなければならない。役者の腕が試されるが、そこは舞踊得意の歌昇種之助兄弟が大らかに踊り込む。
続いて、仁左衛門指導の『義賢最期』。松也は台詞まわしまでよく写して大健闘。蝙蝠の見得から仏倒しまでの凄まじさをしっかり見せた。人畜無道の敵に対するレジスタンスのごとし。「戸板倒し」は一度花道で観たいものだ。周囲では新悟の小万が一途で桂三の九郎助が軽妙。隼人の折平。脇では清盛の使者ふたりの延郎、仁三郎が手堅い。
最後が『芋堀長者』。常磐津と長唄で華やかで正月らしい打ち出しに。十代目三津五郎と橋之助(現芝翫)で四十五年ぶりに復活させたものをそれぞれの子息が継承しての上演。この世代間継承で平成のレガシーに。巳之助の藤五郎はコミカルで実直な処が仁に適い、所作も的確。橋之助の治六郎とよきコンビ。歌女之丞の後室が流石に年功を示す。(五日所見)
(野端康善)

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